彼が身につけているシャツは、前がはだけていて、真っ白い包帯が巻いてある。
どうやら、傷口からの出血は止まったらしい。
だけど、いまだ青白い顔色は消えず、本調子じゃないことくらい、医術を知らない素人のわたしでも、見ただけですぐわかる。
紅さん、そんな状態でわたしを追いかけて、ここまで来てくれたの?
紅さんを傷つけ、何の罪もない女の人を手にかけようとしたのに?
わたしは、こんなに醜いのに……?
紅さんから目が離せず、見つめていると、ズキズキと胸が痛み出す。
それでもなんとかして顔を逸らした。
「紗良、ダメだ。その人の言う事を聞いてはいけない。
彼は……倉橋さんは君の魂を手に入れるため、亡くなった男性に黄泉帰(ヨミガエ)りをさせ、蜘蛛の姿に変えた人物だ!」
――えっ?
倉橋さんが?
あの蜘蛛の霊体に、わたしを襲うよう、指示した人物?



