わたしは地面にうずくまり、ただただ泣き続けた。




「紗良(サラ)君っ!!」


「!!」


冷たい雨さえもわたしを痛めつけるかのように体力を奪っていく中、わたしの両肩は突然、誰かに掴まれた。




だれ?


雨と涙で滲む目をなんとか焦点を合わせ、焦点を合わせる。




銀色のフレーム越しに見えるのは、憂いを帯びた優しい瞳。


穏やかな眼が汚れたわたしを映し出している。




そこには……倉橋(クラハシ)さんがいた。