美狐はベッドの上で愛をささやく


わたしは腹這(ハラバ)いになって逃げる女の人に近づき、距離があと四歩というところまで縮まると、また霊力を生み出した。



女の人の背中は大木にぶつかり、それ以上進めない。




――コロセ。



わたしの中にある『ソレ』が命令する。



わたしは右手を前に掲(カカ)げた。





これで最後だ。


わたしの右手から生まれたわたしの霊力は、恐怖で震える女の人に向かって突き進む。


そして…………。





ズブリ。

「いやぁぁあああああ!!」

女の人の悲鳴とほぼ同時に肉を引き裂くような醜い音がした。


わたしの放った力が当たった場所からは真っ赤な鮮血がドクドクと流れはじめ、白いシャツに滲(ニジ)む鮮血は見る見るうちに広がっていく……。







えっ? 

白のシャツ?



だっておかしい。

女の人が着ていたのは真っ赤なドレスだ。

白いシャツじゃない。