美狐はベッドの上で愛をささやく


「ちょっ、なに、この子っ!! 化け物!!」


たぶん、女の人は、わたしの髪が灰色だと――人とは違うんだということに気が付いたんだろう。

女の人はひとつ小さな悲鳴を上げると、バーとは反対側の木々がたくさん生い茂っている場所へと入っていく……。




『ばけもの……』




いつだって、どこでだってそう言われてきた。

今さら、そう言われても傷つかない。

でも……紅さんは……紅さんがいなくなったら、わたしの心はズタズタに引き裂かれる。





この人には、紅さんは渡さない!!







そう強く思うと、わたしの中で何かうねりを上げて出てくるものを感じた。


これは、霊力だ。


これでこの女の人の息の根を止めてしまおう。


わたしは右の手から、うねりを上げて出てくる霊力を女の人目がけて放つ。


鈍い光は逃げる女の人へと進み、激突する。

だけどそれは右腕を掠(カス)めただけだった。