吸い込まれそうな綺麗な空には、大小様々ないくつもの星が輝いていた。
そんな夜空の下で、どこかからか匂ってくる草の香りと一緒に、新鮮な空気をそっと鼻から吸い込み、二酸化炭素を口から吐き出す。
そうしたら、少しだけ悲しい気持ちが消えていくような気がした。
そっと目を閉じて虫たちの鳴き声に耳を澄ます。
「あら? 見慣れない顔ね」
なんとか心を落ち着かせると、真赭さんや生成さん。
それに紅さんがいる店内に戻ろうと踵を返したわたしを呼び止めたのは、細い身体に赤いドレスを巻きつけた……さっきの、女の人だった。
「誰かと一緒に来たの? でも、貴方見たところ高校生じゃない?
ダメじゃない未成年がこんなところに来ちゃ。
……もしかして、紅の追っかけかしら?
あの人、誰にでもモテるものね……少し前も年齢を偽って彼目当てで押しかけてきた子がいたわね。
困るのよ。そういうの、店の評判にもつながるじゃない?」



