……カタリ。
女性の言葉は、突然なくなって、代わりに小さな物音が聞こえた。
気になって少し扉を開けると……。
……!!
……そこには、紅さんの肩に両腕をまわしている女の人の姿があった。
ここからじゃ女性の後ろ姿しか見えないけど、身にまとっている赤いドレスは肩から背中にかけてむき出しになっていた。
白い素肌を隠さずにいることだけでも、自分に自信があるっていうことがとてもわかる。
――美人な人なんだ。
そう思うと、わたしの足は勝手に踵(キビス)を返して、真赭さんと生成さんがいる方角へと早歩きで戻る。
……知っていた。
紅さんは優しくて、とっても綺麗で……だから女性にも人気なんだろうって……。
わかっていた。
でも、いざ、そういう場面を目にすると、とても苦しくて悲しい。
女性に引く手あまたな紅さんは、今じゃなくてもいつか……。



