美狐はベッドの上で愛をささやく


わたしたちと同じようにラフな格好をした男性と女性がグラス片手に楽しそうに談笑している。



優しいオレンジ色の照明に照らされた煉瓦(レンガ)素材の壁は、室内にあたたかい雰囲気をかもし出していた。


店内にいるだけなのに、すごく心地良い。

ここは、お仕事とかで疲れた人たちがゆったりと流れる時間を楽しむ場所なんだ。



バーって、もっと賑やかなイメージをしていたんだけど、ここは違うんだね。


ここは、紅さんのように上品で、とても穏やかなお店なんだ……。





……会いたい。

紅さんに会いたい。


たった数時間しか離れていないのに、今すぐ会いたいって思ってしまう。



……わたし、本当に紅さんが好きなんだ……。


つい数ヶ月前までは赤の他人だったのに、わたしにとって、紅さんという人は、自分の体の一部みたいになっている。



自分の気持ちをあらためて思い知らされる。