わたしは自分の耳を疑って、提案する真赭さんと、生成さんを交互に見る。
「だってね、今のままだと紗良、寂しすぎて死んじゃうって感じだもん」
……うっ。
そんなにわたしの思っていることがわかっちゃうんだ。
そりゃ、紅さんがいなくなってから俯(ウツム)く回数が多くなったと自分でもそう思うけれど……。
「さあ、行くわよ生成!!」
気のせいなのかな。
真赭さんが一番楽しそうに見える。
生成さんは、う~んって唸っているんだけれど……。
真赭さんは、生成さんに向かってビシッと人差し指を突きつけた。
「言っておくけど生成、アンタに決定権はないわよ? アンタはただ、あたしたちを運べばいいのよっ、さあ出発よ! 足!!」
生成さんの目が潤んでくる。
そして、口が開いた。
賛成か、それとも反対か。
だけど生成さんが発言する前に、わたしが口を挟んだ。



