美狐はベッドの上で愛をささやく


……苦しい。


ほんの少しだけなのに、紅さんと離れると思うと悲しくなる。




だって……だってわたし……紅さんのこと、何も知らない。


お仕事している紅さんの姿を知らない。




ああ、そうだ。

わたし、本当に何も知らない。





あまりにも悲しい気持ちが大きくなりすぎたわたしの視線は、真赭さんから離れ、いつの間にか膝の上に置いている拳にあった。



静かな空間――。



いたたまれない空気が流れ続けている中――――。



「そうだ!! ねぇ、生成!!」



う~ん。

真赭さんが唸る声が聞こえたと思ったら、突然両手を叩く音がした。




「はっ、はい、なんでございましょうかっ?」

生成さんは、突然呼びかけられた真赭さんに向き直った。




「紅兄(クレニイ)のところに行きましょう」


真赭さんは提案した。


「えっ?」


今から紅さんのお仕事先に行くの?