美狐はベッドの上で愛をささやく


……あ、だめ。

なんかさっきよりもずっと暗い方向にいってる気がする……。



でも……でも……もし、もしも。

紅さんの前に素敵な女性が現れたら?


……紅さんはわたしよりも絶対その人を選ぶよね。


だったら……。





紅さんのお仕事先はバー。


とても華やかな場所。

わたしよりももっとずっと綺麗な人たちが集まる。


こんな、うすのろなわたしじゃない綺麗な女性たちがたくさんいる――。


いくらわたしが紅さんの薔薇の匂いがわかるとはいえ、わたしなんて何の取り柄もないし、きっと、飽きられちゃう。


今は同情して一緒にいてくれているけれど、今にきっと、面白みがない奴だって思われる……。



わたしが綺麗な紅さんの伴侶なんて、どう考えてもおかしいもん。



きっと他にも、紅さんの匂いがわかる女性はいるんじゃないかな。



そうして彼は、わたしから離れていくんだ……。