「そうか、そうだね。
君をここまで回復させてくれたんだ。
だけど、何かあった時はいつでも連絡してきて。
清人(キヨヒト)さんが大切にしていた君は、私にとっても大切な人なんだからね」
倉橋さんは懐(フトコロ)にしまっていた名刺を取り出し、わたしに手渡した。
そうして去っていく倉橋さんの後ろ姿は、やっぱり背筋がシャンとしていて、凛々(リリ)しかった。
……ありがとうございます。
わたしはそっと胸の内でお礼を言うと、去っていく広い背中に向かってお辞儀をした。
それから1時間経った後、紅さんは真赭(マスホ)さんと生成(キナリ)さんと一緒に帰ってきた。
やっぱり3人はすごい。
留守の間、誰かの訪問があったことを尋ねてきたんだ。
わたしは紅さんたちに、霊体に悩まされていた頃、お世話になっていた倉橋さんのことを話した。
そうしたら、紅さんは上がってもらったらよかったのにって言ってくれた。



