美狐はベッドの上で愛をささやく


倉橋さんは、『ここが誰の家』で、わたしが『誰と一緒にいる』のかを知っている。




――きっと、彼はすべてを察知したんだろう。

わたしが妖狐と生きる道を選んだことも――。





倉橋さんの霊能力は並外れている。

他の霊媒師たちからも一目置かれる人だ。



だからこそ、父はわたしの、この体質をなんとかできるんじゃないかってそう思ったんだ。


だけど、やっぱり世の中はそんなにうまくはいかない。

わたしの霊媒体質は特化しているらしく、数少ない倉橋さんのような強力な力を持った人でも、わたしの体質をどうこうできるものではなかった。




そんな倉橋さんができなかったようなことを、紅さんは成し遂げた――……。



紅さんはやっぱりスゴイ。

妖狐族の王子様だっていうこともよくわかる。

だって、倉橋さんでもどうにもできなかったことをやってのけたんだから……。