美狐はベッドの上で愛をささやく


まるで、わたしに拒絶されることを恐れているような……そんな感じがする……。


拒絶なんて……そんなことするわけがない!!


だって、わたしは紅さんのことが好きなんだもん。

紅さんが何者でもわたしの心は変わらない。




「そんなこと、思わないっ!!」




いつだって、紅さんは優しくて、他の人が見向きもしなかった汚いわたしを助けてくれた。


紅さんが、たとえ人ではなかったとしても、それでも、わたしは紅さんのことが……。



「好き」


そう言った直後、わたしの口は吐き出した息ごと紅さんの唇に塞がれてしまった。



「…………ん」

……好き。


すごく好き。


あなた以外、わたしの魂を差し出せる人なんていない。



わたしは、わたしの口を塞いでいる紅さんの背中に腕をまわす……。


すると、リップ音と一緒にわたしの口は自由になった。


だけど、やっぱりわたしは紅さんに包まれたままだ。


ほんの少しだけ離れただけ……。