だって、わたしは殺されるだけの身の上で、けっしてそんな名称で呼ばれることはないから……。
「紗良、どうすれば君の涙は止まるだろう」
悲しそうな声は上から降ってくる。
それと同時に、わたしの涙が溢れている目尻に、紅さんの唇が乗った。
……やめて。
もういい。
紅さんは、そうやってわたしをもてあそんでいるだけ……。
紅さんの一挙一動に振り回されるわたしを見て面白がっているだけでしょう?
酷い。
ひどいよ……。
紅さんはとても酷い。
涙なんて止まらない。
あなたを想い続けるかぎり、わたしは一生泣き続けるんだ。
だからもう、殺して……。
「……して」
「紗良?」
「殺してよっ!! ……早く、殺して……。もう、優しくなんてしないで!!
わたしの魂が目的なんでしょう? だったら、わたしを殺せばいい。魂を奪えばいい。それがあなたの目的でしょう?
早くそうしてよ!!
お願いだから、もう……これ以上……わたしを……苦しませないで……」



