美狐はベッドの上で愛をささやく


わたしの魂が自分のモノだと、そういう意味……。



……だから紅さんは、いつもわたしを美しいって言っていたんだ……。


それはわたしの、『魂が美しい』っていう意味だったんだ。


だからだね、たくさんの人がいても、わたしを称賛できたのは……。



紅さんはわたしじゃなくて、霊体たちを魅了している魂が欲しかっただけなんだ……。





――わたしは馬鹿だ。


少しは、わたしのことを想ってくれているのかと、そんなことを思っていたなんて……。



だったら、早く『魂が欲しい』ってそう言ってくれたら良かったのに……。


優しくなんかしないで、他の霊体たちと同じようにわたしを襲えばよかったんだ。


そうしたら……こんな……胸がギュッと潰れそうな、苦しい想いなんてしなくてすんだのに……。



胸が……痛い。