蜘蛛が言った意味がわからなくて、頭上にある紅さんとを交互に視界に映す。
「俺は霊体。お嬢ちゃんが味わった恐怖は俺の糧になる。ご親切にありがとうよ」
困惑気味のわたしを、蜘蛛はさらに深い闇へと突き落とさんばかりに、残酷な言葉を告げてきた。
それって、つまり……わたしが霊体の手助けをしたっていうこと?
それじゃあ、紅さんはとても不利な状況なの?
紅さんはわたしを助けに来てくれたのに、わたしは紅さんを殺す手助けをしているっていうこと?
……そんな……。
「御託(ゴタク)はいい、さっさとはじめよう」
絶望するわたしの頭上では、紅さんの冷たい声が響いた。
わたしは最低だ。
好きな人を苦しめるなんて……。
ズキリと胸が痛む。
悲しくて、苦しくて、涙が出てきそうになる。
「さて、お嬢ちゃん、しっかり見ておきなよ? コイツがお嬢ちゃんの力で死んじまう姿をな……」



