ふわり。
わたしの体は痛みを訴えることなく、力強い腕に支えられた。
見上げると、そこには、紅さんがいた。
だけど、いつも穏やかな微笑みを浮かべた紅さんの表情はどこにも見当たらない。
眉尻を上げ、唇をへの字に曲げた顔があった……。
……怒っているんだ。
紅さんがわたしのために戦っているのに、わたしは役立たずでしかないことを……。
わたしが、紅さんを怒らせたんだ。
そう思うと、とても苦しくて、とても悲しい。
好きな人に、こんな表情をさせてしまったんだと思えば、あまりにもマヌケで自分がイヤになる。
そうやってわたしが落ち込んでいると、頭上から大きな影がやって来るのがわかった。
見上げると、そこには巨体の蜘蛛が降りてくるところだった。
紅さんごとわたしを押しつぶそうとしているんだ。
わたしは怖くなって、紅さんの服をギュッと掴む。



