美狐はベッドの上で愛をささやく


苦しい……息が出来ない……。




助けて……。


わたしの目に溜まっていた涙が散っていく……。




「わたしの美しい紗良を……これ以上、苦しめるな……」



その声はとても低くて……とても強い声。

その声とほとんど同時に、暗闇の中を真紅の光りがわたしの絶望に覆われた瞳へと入って来た。

すると、何かが焦げるようなツンとした匂いがわたしの鼻をかすめた。


目を開けてみれば、周囲に張り巡らされていた蜘蛛の糸が散り散りに灰と化していくのが目の端に映った。




な……に?





涙で歪みきった虚(ウツ)ろな瞳で灰と化していく蜘蛛の糸を見つめていると、わたしの体を締め付けていた糸が灰になって消えていく……。





ぐらり。




糸に固定され、宙を浮いていたわたしの体は、地面へと傾き、落下する。


地面に叩きつけられる!!


そう思った瞬間――……。