わたしがなんとかしなきゃ!!
そう思うのに……糸が邪魔をしてくる。
「お前を助けた愚(オロ)かな者が死んでいくのを見ていろ。そして絶望に駆られたお前の魂をいただこう……。
ああ、さぞや美味いだろうな、お前の魂は……」
舌なめずりをするように、蜘蛛は今も糸を吐き続けている口をグニャリと動かした。
気持ち悪い。
生理的な悪寒と、恐怖がない交ぜになり、わたしの体を凍らせる。
「やっ、離してっ!! 紅さん!!」
必死に抵抗するものの、やっぱりわたしの力じゃ、蜘蛛の糸を振りほどけない。
こうやってわたしがジタバタしている今も、紅さんの体に巻きついた無数の蜘蛛の糸は容赦なく締め上げている。
紅さんと離れているにも関わらず、わたしの耳には、紅さんの体から発せられるミシミシと骨が軋む音が聞こえてくる。
それだけ蜘蛛の糸が力いっぱい紅さんを締め上げているということだ。



