大粒の涙が、目からポロポロとこぼれ落ちる。
わたしは目をつむり、ただ涙を流す。
顎(アゴ)を固定され、上を向かされると、ひとりの男の人の唇が間近に迫ってきた。
キスされるっ!!
そう思って拒絶しようとしても、両手首を固定されているから、動けない。
手首の物理的な痛みと、紅さんが傍にいないっていう胸の痛みが、わたしを襲う……。
「すっげぇ、俺たち、こんな上玉を抱けるんだな……」
男の人の唇がわたしの口に触れるのはもう時間の問題だ。
目と鼻の先にいる男の人は唇を動かし、満足げにそうに言った、直後だった――。
わたしの背中に寒気が走った。
なぜだかわからないけれど、突然恐怖がわたしを襲った。
怖い。
ただ、恐怖心だけが、この場所から逃れたいと、わたしはまた、自分の体を動かしはじめる。



