美狐はベッドの上で愛をささやく


わたしはブンブン頭を振って、瞼(マブタ)の裏に浮かび上がった優しい笑顔を打ち消した。



その時だった。

不意に、砂の上を歩くようなジャリジャリという足音が複数近づいてくるのを聞いて、俯けていた顔を上げた。



「彼女、かわいいね~。ひとり?」



笑い声が聞こえたと思ったら、長身の男の人が3人、立っていた。


顔は、薄暗くってわからない。

だけど、3人とも背はわたしよりもだいぶん高い。

声質から、大学生くらいじゃないかと思う。




なんか……怖い。



わたしは早く立ち去ろうと、ブランコから無言で腰を上げる。


そうしたら、突然わたしの右腕がひとりの男の人に掴まれてしまった。


「逃げるなよ、何も怖いことはしないって……」


男の人はそう言うけれど、声はずっと低くて、脅すような雰囲気がある。



「やっ!!」


離してほしい。

そう思って腕に力を入れる。


だけど、掴まれた右腕が抜けない。