美狐はベッドの上で愛をささやく


こうして立っているだけでも無数の霊体たちが蠢(ウゴメ)いているような雰囲気がする……。


わたしは上がる息を整えるため、小さな公園の中にあるブランコに座った。


本当は、こんなところで休んでいたくはない。

だけど、走りすぎた足はズキズキと痛むし、心臓は張り裂けそうなくらい鼓動を繰り返している。


汗がひとしずく、こめかみから顎(アゴ)のラインを伝って、わたしの膝上に落ちていく……。


口の中にある唾液も、もうなくて、カラカラに乾いていた。






……これから、どうしよう。




途方もない孤独という闇が、わたしをまた襲う。



物音ひとつしない静かな公園を見続けていると、背筋がびくりと震えてしまう。


離れたのはついさっきなのに、もう紅さんに会いたいって、思ってしまう。





――ダメ。

そんなことを考えちゃダメ。



これ以上、紅さんを頼っちゃいけない。