どうしてわたしが奏美さんを襲ったのかもわからないし、わたしの体が赤い痣だらけになっている理由もわからない。
当然、わたしはこれからどうなるのかもわからない。
――この村は狭い。
とても小さな村だ。
今夜のこのことはきっとすぐにみんなの耳に入るだろう。
そうなれば、わたしはみんなに拒絶される。
ううん、違う。
拒絶されるだけなら、まだマシかもしれない。
わたしはまた捨てられるのだろうか……。
その恐怖が、幼いわたしを襲ったのを、今でも覚えている。
ついさっきまで、容姿以外はみんなと変わらない普通の人間だと思っていたわたし。
実の両親は、容姿がおかしいっていうだけで、わたし捨てたのかと思っていた。
だけど、それは違った。
実の両親がわたしを捨てた理由は、きっとこのことで、だったんだ。
だから、わたしを捨てた実の両親を恨んではいけない。
……そう、自分に言い聞かせた。



