わたしの体がソファーから離れる。
突然伸びてきた腕に引っ張られて、紅さんたちがいるリビングを抜け、上の階にある寝室へと引きずられていく……。
バタン。
ドアが閉まる大きな音がしたと思ったら、すぐにわたしの腕の中にあった服を一着取られ、真赭さんは開封する。
「ウジウジしないでよね、あたしが選んだのよ? ツベコベ言わずに着なさい!!」
真赭さんの手によって、悲しみで固まってしまった体を包んでいた浴衣が外されていく……。
その間、わたしは自分の身にいったい何が起こっているのかがわからず、ただただ呆然と立ち尽くしていた。
「ほら、やっぱり似合う。ま、あたしの次くらいに、っていう意味だけどね」
しばらく身動きもしないで立ち尽くしていると、真赭さんはウンウンと何度もうなずいて腕を組んでいた。
クローゼットの扉を開けて、そこに貼りついている鏡をわたしに向ける。



