美狐はベッドの上で愛をささやく


それが今では当たり前のようにできる。


紅さんには、ありがとうなんていう言葉では言い表せないくらい、とても感謝している。


でも、ふと思うのは、いつまでわたしを紅さんの傍にいさせてくれるのかっていうこと……。


紅さんだって、自分の生活があるし、赤の他人が図々しくずっとこの家に居座るわけにはいかない。



いつまでも甘えているわけにはいかない。

迷惑をかけていてはいけない。



早くなんとかして、この体質と上手く付き合っていく方法を探さなくちゃ。


そう思うのに……いざそのことを考えてしまうと、胸がギュッと締めつけられる。


息苦しくなる……。


悲しくなるのは、お父さん以外にわたしを受け入れてくれる人がいなかったからだ。



「紗良ちゃんはリンゴジュースでいいのかな?」



部屋を出て階段を伝って1階まで下りると、紅さんに続いて紺色の暖簾(ノレン)をくぐる。