美狐はベッドの上で愛をささやく


その一言がちょっと気になって尋ねてみたら、紅さんは、「ああ」とひとつ返事をして教えてくれた。



「実はね、わたしはこの家から少し離れたところでバーを経営しているんだ。

少しジャンルは違うけれど、カクテルもジュースも物の相性で味が変化するから、似たような部分があってね。


紗良ちゃんの好みに合ってよかった」




――――バーの経営。

なんだか華やかな紅さんにぴったりだ。




……でも待って?


……今、紅さんはわたしの看病をしてくれている。


だったら昨日のお仕事は?


もしかして、もしかして……。

わたし、とても迷惑かけているんじゃない?


わたし、自分のことしか考えてなかったけど、紅さんの私生活グチャグチャにしてるんじゃない?


だとしたら……。

わたしって、なんて馬鹿。

自分のことばっかり考えて、面倒を見てくれるのが嬉しいとか思っちゃったりして!!