「……っつ!!」

わたし……わたし……紅さんに口移しされた!?


それに気がついたのは、紅さんに尋ねられてからだ……。


「美味しい?」



わたしがパクパクと口を開閉させてたら、紅さんは微笑んでくる。



水が飲めたことが嬉しいというより、紅さんの唇の感触が口に残って、恥ずかしい。


そう思う反面、もっと水が欲しいと体が欲求する。



わたしはコクリとうなずいた。


「もっと……」



「もっと?」


「もっと……ほしい……」


まるで、紅さんのキスを強請っているみたいで恥ずかしい。


でも、水が欲しいだけ。

そうだよ。

……なんて自分に言い聞かせて、紅さんにお願いしてみる。


そうしたら、紅さんはまたグラスに口をつけてわたしの口に水を運んでくれる。




「……んっ」

「もっと?」


なんとかふた口目も飲み干すことが出来ると、紅さんは尋ねてくれる。

わたしはまたコクンとうなずき、紅さんの唇を待つんだ。