お湯が髪を伝って一緒に流れたシャンプーの泡。
それが手についていたんだ。
その手で目を擦ったから、目がキリキリと痛みだす。
「っつ……」
……痛い。
シャンプーが目に入って痛い。
優しくされすぎた胸が痛い。
心が……痛い。
「紗良ちゃん? ああ、シャンプーの泡が目に入っちゃったんだね」
紅さんの声が、わたしの左耳のすぐ横で聞こえた。
これ以上迷惑をかけちゃいけない。
これくらい、なんとかしなきゃ!!
わたしは痛む目をなんとかしようと、また目を擦る。
「紗良ちゃん、そんなことをしたら余計に泡が目に入るよ……?」
紅さんの優しい声が、吐息と一緒に耳に入ってくる。
……やめて。
こんなに優しくしないで……。
わたしは汚らわしい存在だ。
優しくされる権利なんてない。
わたしはブンブンと頭を振りながら、泡水を引っ被った手で強く目を擦る。



