真己は少しでも私たちと一緒に食べるご飯をおいしいと感じてくれていただろうか?父は、私たちが楽しいと感じているのだから真己も同じ気持ちだと言っていたが。一緒にいることが当たり前で、意識することなどなかったのだが……私たちの関係って、一体何なんだろう?

 一度、真己との再会後に、父が「真己くんが相手だったら父さんは安心だ」と言っていたことがあった。そんなことを考えてもいなかった私は、動揺するばかりでうまく処理が出来なかったが、周りから見たら付き合っているように見えたのだろうか?確かに真己は優しい。でも、ここで思い出して欲しいのだ。真己は根っからのお人好しであることを。

 異性の話が中心になるお年頃の中学生時代だって、真己は密かに女子の間で人気があった。誰に対しても優しく接するので、私への行動も特に意味はないのだと思っていた。

 再会のきっかけとなった一年前の夏も、ナンパされて困っていたのがたまたま私だったというだけで、真己だったら違う人でも助けているはずだ。