黒い夜空のキャンバスに、色鮮やかな花の火が次々と咲き誇る。花開くたびに体の芯へと沈むように響く音がまた、心地よくて。
何もかも忘れて、今泉君の腕に抱かれていた。
言いかけていた言葉さえ。
そっと見上げたら、クライマックスのスターマインが今泉君の輪郭を照らし出す。なぞりたくなるようなシャープな顎のラインが、ゆるりと角度を変えて。
今泉君が私を見てる。
逆光で表情は読み取れないけど、たぶん今泉君は微笑んでいるはず。
「僕のこと、好き?」
今泉君の囁くような声が、体に沁みていく。花火の音ほど大きくはないけど、再び胸を揺り動かすには十分。
ゆっくりと息を吸い込んで、心の中で確かめた言葉を声に出して復唱。
「私も、今泉君が……」
言い終える直前に蓋をされてしまったけど、ちゃんと伝わったよね?
触れ合った唇から、今泉君へ。
これで最後じゃない。
私たちの恋は、これから始まる。
ー 完 ー

