かろうじて今泉君にもたれかかることを逃れている頭に、とんっと触れた優しい重み。触れた部分から、じわりと温もりが伝わってくる。
もう体が固まってしまって、どうにもならない。それに反して頭の中では、ぐるぐると巡る疑問。
どうしたの?
こんなの、絶対に今泉君らしくない。
今泉君のキャラじゃないでしょう?
「さっきの質問、僕も聞いていい?」
質問って何?
そんなことよりも、今はこの状況をどうにかしてほしい。
「え? 質問?」
「うん、芳田さんの一番好きなものは何?」
さっき私が今泉君に尋ねた質問を、そつくり返された。今泉君は答えをあやふやにしたのに、ズルいかも。
「今泉君は? 何が好きなの?」
「僕はもちろん……」
ぎゅうっと握った手に、今泉君がさらに力を込める。
今にも弾けてしまいそうなほど鼓動が速くなってく。胸が痛くて苦しくて、耐えられないぐらい。
このまま鼓動が止まって、息が詰まってしまうんじゃないかと思い始めた頃、
「芳田さん、一番好きなのは芳田さんだよ」
今泉君の柔らかな声が降ってきた。

