「何が食べたい?」
いきなり振り向くから驚いた。
びくっと体が跳ねてしまったのを今泉君に見られたかな。
「え? 何がいいかな……」
とりあえずフードコートの店舗を見渡したけど、何を見たのか頭の中に残らない。単に今泉君から逸らした目が泳いでるだけ。
「うどんとラーメンは止めような、汁が飛ぶかもしれないから」
今泉君が笑ってる。
なんか、いつもと違うかも。
いつもなら、とうに『たこ焼きにしよう』とか言って決めてしまってるのに。
でも、この雰囲気は悪くない。
「汁が飛ばないもの? 結構難しいよ……、お好み焼きも危険だよね?」
「うん、ソースはキツいなあ……、それに臭いも」
「パスタは? あ、だめ? 跳ねそうだよね」
「そうだなあ、とんかつは重いし……」
ぐるっと見渡したけど、このフードコートにとんかつ屋さんはない。とんかつ屋さんはここではなく、二階のグルメモールにある店舗だ。
さすがに、ここのフードコートではネタが無くなってきたのかもしれない。

