「昔々あるところに鬼と人間の混ざった鬼人間がいました。鬼人間は自分が鬼ということを隠してひっそりと暮らしていました。ある日鬼人間が暮らしている村は台風で家々が飛ばされ、土砂で川の水が止まってしまいました。川の水が止まってしまえば村で使う水が使えなくなってしまいます。そこで、心優しい鬼人間は自分の正体がバレてしまうのを分かっていながらも鬼の姿 土砂を止めたのです。しかし村
人間達は鬼を村から追い出したのです。」

「なんで~鬼人間いい人じゃん」

「そうだね…でも鬼は何故か人間に嫌われがちなのさ…醜い身体だからかね…でもね喜助は自分が鬼人間でも心を許してくれる大切な仲間を見つけなさい」

「そんなの…無理だよ…おばあちゃん…」

「何言ってんのさ!世界は広いんだよいろんな人がいる。おばあちゃんみたいに鬼人間でも一緒にいてくれる人が見つかるさぁおばあちゃんもそりゃあおじいさんが鬼人間って分かった時はそりゃあ驚いたよ。でも大丈夫さ。」

「うん!」

「大きくなったら仲間を見つけなさい。おじいさんやお父さんみたいにね。確かにお友達は少ないけど信頼度はそりゃ~高いよ」

「おばあちゃん、おじいちゃん語る時っていっつも長いよね…」

「ふふ…おばあさんはおじいさんが大好きなのさ」














いつもそう言っておばあちゃんはこの破れた本を読んでくれた事を覚えている













No.1

14歳の少年、長い髪にポニーテール小柄な体腰には刀それがこの物語の主人公である

「ふぉーここの団子屋の団子はうまいなー」

只今、団子食べ歩き中
それぞれの地域によって味の好みが違うせいか前の村の団子と味付けが全く違う
…とまあそんな事を思っていた

「おい。あんちゃんお代!お代!」

「あーごめんよ。おじいちゃん。わすれてた…はいよ。」

「うん。たしかに。次は忘れないでよ」
 
今月はお金が少ないからお代なしで食べようとしたがやはり駄目だった…
やはりお金は人々にとっては貴重な物なのだ。この町はある王に守られているため比較的裕福な人々が多いと聞いている。しかしその一方で裕福でない人々も少しながらいる。ほらあそこにも。

「こらー泥棒だ」

お米屋の中年男性が声を挙げて男の子を追いかけている。男の子は自分と同じくらいの年で、小汚い服にここの所洗ってなさそうな体。

「泥棒?生きるために必死な少年だ!!!!!!そこ間違えるなよ」

少年はこっちに向かってきていらる

「おおおおおおーーーガキィどけてぇーー」

「はあ!?ガキィ?」

同い年ぐらいにガキと言われたショックはかなり大きい確かに自分は他と比べれば小柄だとは思うが…自分が小さい事は認めているが…心の傷は大きいぞ…

「うおらぁ!!!!!!」

「ぐほっ!!!!!!」

盗んだお米を顔面にわざとあてやがった
これをやられて怒らないやつはいない

「くそドロがあーーーーー米あててんじゃねーよ」

喜助は少年を追いかけた

「ガキィ俺に追いつくなんて100年早いんだよォ」

「あそこだ!このぉ泥棒が」

さっきの米屋のおじさんが村の人達を集めて大人が大人数でその少年を追いかけている。

「よくもうちの店の魚を持って行ったね」

おばちゃんは魚屋なのだろう。少年に怒っている。他にも八百屋、団子屋、茶屋など食べ物に関する店ばかりだった。おそらく全ての店に被害があったのだろう。貧しいのでお金がないからあちこちで食い物をあさっていたのだろう。でもソレはソレ!コレはコレだ!米を投げつけてきたのをどんな手を使ってでも誤らせてやる。足の速さならクソ泥棒に負けるかもしれないが力なら負ける気がしない。
時間がたつと追いかけていた人達が体力の限界であきらめていった。しかし自分は鬼の血も混ざっている。だから身体能力は普通の人間よりは上だ。あのクソ泥棒も体力がもう限界だった。俺はやっと追いついた
少年は田んぼが広がる所で足を止めた

「やいやいやいよくも俺に米をわざとあててきたな!!!!!!痛いんだぞアレ」

「…ハアハア…ハッお前すげーな…俺に追いつくなんて大したもんだ」

少年は自分の話を無視して追いつかれた事を悔しがっている。周りはもう何もない草原まで走っていた

「人の話を聞けよ!お前…謝れよ」

「誰に?」

「俺にだ!ふざけてんのか」

「………米なんてわざとあてたっけ?」

こいつ…バカだ…

「とにかく俺に謝れよ」

「あ…すみましぇん」

イラッ…

パカ…

「…はあ…しゃーね許してやるよ…」

パカ…パカ…

「おお!サンキュー」

パカ…パカ…パカ…

「はあ…」

ため息が出る…こいつ本当に反省してんのか???

パカ…パカ…パカ…パカ…

「あのなあ…」パカパカパカパカパカパカ

「???…!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

さっきからパカパカという音があるなと思ったら馬の音だった

「兄ちゃんごめんよぉ~~~~~~~」

「うわああああああああああああ」

なんと中年のおっちゃんが馬に乗って突っ込んできた。俺はそのまま少年の方に倒れて
しまった。

「うわっ!!!!!!」

ドサッ…

馬と中年のおっちゃんはそのまま町のほうに走って行った。手に気持ちいい感触が…

「あ…アアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」

初めての経験だった…

「あ…もしかしてバレた?」

そう言いながら少年…いやっ…少女は顔を赤にして言った。気持ちいい感触とか思って
しまったああああああ…まあ…年頃だし…仕方がない!

「お…女アアアアアアアアアア!!!!!!!!!」

「な…なんで女が男装なんか…」

「お前!!知らねーのか!この町は男女差別が激しいんだぞ!しかも農民はさらに地位が下だしな…だから…女で農民の俺なんか雇ってくれるやつなんていないんだよ…。だからこうやって盗まねーといけねーんだよ!…生きる為なんだ…」

…そうだここの町は王様に守られている。
その代わりに王様に米を半分以上費やしている農民がわずかだがいるのだ。そして田んぼが広がるこの場所は農民が米を育てている所だろう。

「…あ。ごめん」

「誤らなくていいよ。俺はいつかこの町を変える!!!!!!農民と女の差別をなくすんだ!そうしたら…妹だって…」

「???」

「……あ。すまねぇ…お前この町のやつじゃないな…じゃあ、関係ないか…」

「……俺とお前って似てるな!」

「へ?」

「俺もお前とは違う形だけど差別受けててさ!でも、やっぱり他人と関わりなさいって言うばばあの教えがあって旅をしているんだ。大切な人を見つけなさいだとよ」

「そんなの俺には関係ない…」

「まあ、そうかもしれねーけどよ。嫌われ物同士仲良くしようぜ!」

「俺は馴れ合うつもりはないそんな事いわずによぉ~」

「ついてくんな」

「???」

ダッ!!!!!!

ダダッ!!!!!!

ダダダッ!!!!!!

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!

「いい加減にしろよ!」

「この町を案内してくれよ」

「嫌だ」

これは嫌われてると思いつつも少女のストーカーのように追いかけた

「だいたい他の人に頼めよ。こっちは忙しいんだ」

「じゃあ、暇になるまで待つからさ♪」

「…………ッ。…分かったよ案内すりゃーいいんだろ?案内を!」

「サンキュー♪」












「結構 ボロい所まで来ちまったな…」

「すみませんねボロくて」

「あ、いやいやいや悪気はないぞ」

「うざっ」

「ひーどーいー」

焼けた大地に焦げた木を使い家を建てていた。そして周りには痩せこけた人ばかりだった

「はい…米だ。一粒も残すなよ」

「ありがとう。お姉ちゃん」

「違うだろ。あれぼどお兄ちゃんって呼べっていったじゃないか」