教室に入ると、黒板には出席番号と席が書いてある紙がはりだされていた。
あたしの席は、廊下側から数えて2番目の列の一番後ろ。
なんとも微妙な席だった。
スクールバックを机の上に置き、椅子に座ってあたしは周囲をゆっくり見渡す。
だいたいの生徒は席について緊張気味に下を俯いている。
まだ来てない生徒もいるものの、これがあたしの新たなクラス。
仲良くなれるだろうか、なんて思ってあたしはそっとバックを机の横にかけた。
机の数は40以上。つまり、40以上の人数で構成されるクラスとなる。
40人もいれば、誰かと仲良くなれるよね。
そう自分に言い聞かせ、あたしは1人窓の外から見える桜を眺めていた。









始業式が終わり、教室へと戻って行った。
椅子に座って黙っていると、担任が教室に入ってきた。
担任は30代後半くらいの女教師。
少しきつそうな性格。

何だか、中学校最後にこの担任か・・・などと思い小さな欠伸をした。

ダラダラと担任が自己紹介をして、今年度の抱負やらなにやらを語っている。
受験生なんだから勉強が何よりも大事!などと力説している担任。
今更言われなくても分かってる。
だけど、やっぱりまだ自分が受験生だということを自覚してないのも事実。


退屈で平凡な毎日。
中学校生活3度目の春は、こうして幕を開けていった。