原チャを盗む??

俺には天才的な考えだと思った!
そのまんま松屋を出た後、
長野駅の東口の駐輪場に行った。

いくら田舎の長野でも通勤、通学で使う会社員や学生のバイクには鍵が掛かってるだろうと思っていた。
が、しかし15分もしないうちに桃から

桃「あった。」

と言う声が聞こえた。
さすが、長野。
桃はどうせエンジンの掛け方なんてわからないだろうと思い自信満々に近づいた。
が、俺が見たことのない原付だった。
なんて言うか単車の小さいバージョン。
後でわかったんだが、これはN1と言うマニュアルの原付だった。

鍵が刺さっていてコルク半が一つ外にぶら下げてあった。

桃「渚、エンジンかけられるの?」

渚「これは昨日おれが乗ったやつと違うな。とりあえずGoogleで調べる?」

と、調べた所マニュアルのバイクはオートマと運転が違って難しいが楽しいみたいなことが書いてあり調べたばかりの知識でエンジンを掛けた。
キックスターターでエンジンが掛からないとゲコッ、ゲコッ、とカエルの様な音がしたあとポポポポッ、と小さい音が聞こえた。
ギアを落としたとき勢い良く転んだ。
だが、二人とも笑っていた。
それから半日使い2人ともN1が乗れるようになった。
楽しかった。
転んでも、膝がむけても楽しくてしょうがなかったのを今でも覚えている。

その原付を地元まで持って帰った。

夕方には吉山も合流して河原に行き盗んだ原チャと吸い慣れないタバコを吸って夜まで遊んでいた。