次の日。
朝9時30分。
母親が仕事に行く時声をかける。
「高校行きたいなら学校は行くんだよ。
ばあちゃんもじいちゃんも心配してるしお父さんはお前には言わないけど考えてるんだからね。」
不快な目覚め。
親父とは中2で喧嘩して以来口を聞いていない。
母親はビンタをされた時にやり返したときから俺にはこの程度の会話。
1日2回喋るかどうか。
階段を降り机の上にあるセブンの焼肉マヨネーズ弁当が俺の毎朝のごはん。
週7がこれ。
残してもこれ。

この日は学校に行きたくなかった。
昨日の原付の感覚が忘れられない。
原付が壊れた後、吉山の家の玄関で夜中の2時まで興奮して話してた。
主に警察に追われたスリルからの興奮だけど原付の快感が忘れられなかった。

制服には着替えず、私服に着替えた。
俺の私服はサーフ系だった。
駅前のGランドって言う服屋のお姉さんが可愛くて親の財布からくすねたお金で買っていた。
学校には行かないと決めたからまだ寝てるとは思うけど吉山には今日学校に行かないとメールだけ入れといた。

着替えて自分の自転車に乗るのが嫌でしょうがなかった。

俺はもう原付を運転できるのになんでこんなのに乗ってるんだ。

そんなことでイライラしていた。
俺の友達は吉山以外にも同じ中学の同い年で田平桃、沼ゆうじ、あとよくわからない一個下の後輩A、B
が学校にいるときはよく一緒にいた。
その中でも桃とはクラスも一緒で吉山と同じかそれ以上仲がよかった。
昨日の原付の感想を伝えたくて私服で学校に行く。
桃を呼んで校門で待ち合わせ。

桃「おれ朝飯食ってないから給食学校で食べたいんだけど。」

桃の家はかなり複雑。
後でちゃんと説明はするけど、
小さいとき両親に

「○○くんの家の子とは遊んじゃいけない。」

って、言われたときの○○くんが桃。

渚「飯、奢るから駅前遊びに行こうよ」

桃「いいよ。」

自転車を2人乗りして駅前へ。
駅前の松屋に入ったんだけど向かう途中も入ってからも昨日の原付の話。
だんだん桃も乗り気になってきてこう言った。

桃「原チャ、盗もうよ。」