どれくらいそうしていたのか 青ざめた顔が薄れていく。 吐き気もおさまり乱れた呼吸も落ち着く。 「あかんな。もう大丈夫やって思っとたのに。」 「あいつらなん?」 黙って頷く忠義。 その瞳は何処か遠くを見つめ。 「信五と裕 大丈夫かな?」 ふっと。現実を思い出す。 「あいつらは大丈夫やろ。 どっちかというと相手がな。」 笑ってみせる章大。 「せやな。」 つられるように作り笑いをこぼす忠義。