分厚い黒い雲。 雨が降りだす。 あちこちに出来た痣。 心に開いた穴。 忠義を優しく包むかのように濡らしていく。 フェンスをまたぎ屋上から下を除く。 雨の音だけが響く。 「…ここから落ちたら楽になれるやろうか…。」 空を見上げる。 「…ボクでも空飛べるやろうか…?」 涙が頬をつたう。 「…ボクはロボットになりたい… 何も感じへんロボットに…。」 目を閉じる忠義。