薄暗い部屋。
車のライト。
煙草の臭い。
目の前には光が漏れ目を覚ます裕。




「強く殴りすぎてまったわ。」



裕のおでこの上のタオルを変える信五。
煙草を片手にすばる裕のもとへくる。

「ほんまに好きやな?吸うか?」

首を横に振り答える裕。

「あれ以上やってまったら
あいつ死んどったかもしれへんな。」

思い出したかのように話す亮。


「わりぃな。」


正気に戻り謝りの言葉を口にする。

「心にもないことゆうなや。」

吸っていた煙草の火を消す博貴。


「博貴。」


博貴を制止する章大。

「せやろう?
正気やったらあそこまで殴らへんやろ?
気失ってたで。」

大声を上げる博貴。


「博貴。よせや。」


博貴の肩に手をのせとめる章大。

「どうせ俺は正気やない。
だけどなお前には言われとうない。」

起き上がりタオルを床に投げつけると
外へと歩きだす裕。


「何処行くん?」


博貴から裕へと視線を移す。

「頭冷やしてくるんや。
ここにおったらまた人殴りそうやから。」

怒りを抑え歩き出す。


「俺もつき合うわ。」


裕の後姿を追いかける信五。