「申し訳ございません!今からお伺いしますので、少しだけお時間いただけませんでしょうか?只今、弊社の藤澤がそちらに向かっておりますので、私が到着するまで対応させて頂いても宜しいでしょうか?」




良くあることだ。

スタッフの当日トビ(つまりは無断欠勤)なんて、良くあることだ。

でもさ。




何も今日じゃなくたっていいじゃないかっっっ!!!




先方はいつもお世話になっている私のクライアントだ。

七年もこの業界にいれば、懇意にしてくれるクラインアントは私のことを良く知っている。

そして自慢じゃないが、クライアントの信頼は部署No.1の自信がある。


私の手配したスタッフは、みんなイイ仕事をしてくれる子ばかりだし。

部署イチ、当日のトビ率が低いのが私の現場なのだ。




それなのに。

どうして今日に限って。




こんなことになってるのよ~~~っっっ!!




乗り込んだJRを一駅で降りて、トンボ帰りする。

JRの中で、今日現場に行く予定だったスタッフに電話をかけ続けた。


電話を掛けても呼び出し音が鳴るだけで、相手が出てくれる気配がない。

仕方なく留守番電話にメッセージを残すことにした。

ただ、とても信頼しているスタッフだったので咎めるような言葉よりも心配する言葉が口をついて出た。



私服のままでもやむを得ない。

このまま会社に戻ることを考えて、大きな溜息が出た。