「っ……!」 声も出なかった。 ここまでして伝説の鈴を守った “自分”が信じられなかった。 また空を見上げると“鈴姫”の粒子が一瞬で鈴になり、 世界のあちこちに飛んでいくのが見えた。 飛んでいく途中で、鈴が青紫に変に黒光りしたように見えた。 だが……。 ──プツ。 そこで記憶は途絶えてしまった。 再び意識は底無し沼のような暗闇に吸い込まれていった。