あたしは床にしゃがみこんだ。
血がまだ止まっていないのか、呼吸の浅い千は目さえも開けようとしない。
煤で黒く汚れてしまったキレイな頬を撫でた。
「千……」
大好き、だよ。
その想いを込めて。
その形のいい唇に自分の唇を重ねた。
周りなんか、気にしないで。
時間が止まったように感じた。
大好き。
ずっと、ずっと言えなかった。
あなたは敵で、戦わなきゃいけなくて。
苦しくて、辛くて、切なくて。
初めての恋は戸惑ってばかり。
苦しいけど、切ないけど、この想いは本物なんだってわかることができた。
あなたがくれた、この大事なキモチを。
今度はあたしが伝えたい。
結ばれなかった鈴姫の分も。
今まで、伝えられなかったこの愛しさを。
だから、目を開けて?
あなたはあたしが守るから。
千────……。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

