「そのあとのことは……よく、覚えていません」
艶は顔を苦痛と、悔しさで歪めた。
とても、悔しそうに。
「たぶん、そのあと、私も……見つかってしまった。
鈴姫……あなたに伝えようと……して……」
「そうだ」
低い、低い声で女神は言った。
「お前は、見てしまった。
だから、全ての記憶を消し、
魂をウサギのぬいぐるみに入れ、
身体は強化し、わたくしの忠実な部下にした」
なにを、やっているの?
この人は……。
お母様を殺して、艶を襲って……。
そして、今、あたしを倒そうとしてる……。
「それで、私……何も……気づかず…………あなたを襲った……」
艶は涙を浮かべた。
「そんなのいい!
あなたのせいじゃない!」
「鈴姫……いえ、すずか……」
「なに!? 艶!!」
彼女は弱々しく、右手をあたしへ差しのべた。
その手をギュッ、と強く握りしめる。
あたしも、涙が溢れて止まらなかった。
ポタポタと、艶の頬に落ちて、濡らしていく。
「……ごめんなさい……。
ずっと、ずっと、謝りたかった……。
急にあなたの前から消えてしまって……あんなに傷つけて……しまった」
「違う! それは違うよ!!」
あたしは必死に否定する。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

