そしてその身体がカクン、と揺らぐ。




「一度に膨大な霊力を使うので、よっぽどのことがない限り、今回のような長い歌は歌いませんわ。

無理をしたら、今度はわたくしが倒れてしまうもの……」



「休んで!!」



彼女は大丈夫です、と言うけれど、あたしはさっさとベットから這い出てアンゼリカをベットに押し込んだ。



誰かを治そうとして、自分が倒れたら意味ないじゃん!



無茶はなしだよ……。




「その子はたぶん……もう大丈夫でしょう」



ミューマの顔色は、血の気が戻り、赤くなっていた。



「よかった……」



これで、安心だね。



心の中に安心感が広がった。



「でも、姫様……」



「なに?アンゼリカ」




「もしかするとその子……もう、永くないかもしれません。


生気があまり感じられませんわ……」






「…………え?……」




アンゼリカの低い声に、高まっていた気分が絶望に叩き落とされた気がした。