「え、エクを?」
「あぁ、あのこを連れていってくれ。
あの子も、霊力が使える」
「エクも……」
霊力が使えるんだ……。
そういえば、あの結界ってなんなんだろう。
ここに来るときに通った、ナディが言っていたもの。
「あの、結界って?」
「あ、聞いたのかい?
僕がここに住むために特別に張ったんだ。
霊力の強いものと、僕とエクしかこれないし、見ることもできない。
すずかは、別だけどね」
唐突とした、質問だったけれど、銀さんは優しく笑って答えてくれた。
いい人だよ……。
あたしの兄なんて、信じられない。
「エク」
「はい」
銀さんが何もない空間に向かってエクを呼ぶと、彼女はすぐに部屋に入ってくる。
「なんでしょう、兄様」
「今日から、エクはすずかたちと共に行動し、助け合っていってくれ」
「え、でも」
それじゃ、エクが……。
エクは、イヤじゃないの?
「遠慮しないで。
僕にできることはそれくらいしかない。
僕は、すずかのおかげでもう大丈夫だし、エクもいきたそうじゃないか」
「え?」
そうかなぁ……。
あたしには、違いがわからないんだけど……。
エクの顔を見つめるけど、彼女は顔色ひとつ変えない。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

