──ガサガサッ!!
近くの木が大きく揺れた。
なに?
そこに何かの気配を感じる。
とてもとても大きな生き物。
『ヴオォオオオオッ!!!!』
空気を振るわせるほどのその声は、地面から出ているようだ。
それは見たことのない、黒く歪んだ姿をした、まさしく“魔物”だった。
異様な香りを放つそれは、気分を悪くさせる。
『うぅ……』
『鈴!!』
千は素早い早さであたしを抱き締め、見えないようにあたしを隠した。
一瞬であたしの視界は彼の服に阻まれる。
汗の匂いと、千の懐かしい匂いが鼻孔をくすぐった。
これが、魔物だ。
言われなくても分かる。
ドクンドクンと心臓の音が大きく感じた。
ジワ……と手に汗が滲む
辺りには、多くの人がいて、叫び声が庭中にこだました。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

