それは昔。 そう、ずっとずっと前のこと。 あたしと銀さんは、一つの集落に生まれた。 両親は貴族だったため、あたしは “姫”として扱われた。 忙しい両親はあまり、会えなかった。 大きな大きな邸に一人。 兄様も、陰陽師修行のため、都にいていつも独りだった。