隆太side*

昨日亜子から電話来て、待ち合わせの場所にいるんだけど、おせえ。

帰りたい俺の気持ちも考えろよ。

そういえば、桃花ってやつどんな子かは聞いたけど、顔はわかんねえ。

ま、普通の女と変わらないだろ。

「ごめん!お待たせ!」

亜子と亜子の後ろに男が一人と女が一人。

「いこっ!」

亜子とは昔に幼稚園と小学校でずっと一緒だった。

つうか、桃花ってやつコイツ?まさかな・・・。しかし、コイツ可愛すぎじゃね?

電車に乗り込み、一時間電車に揺られる。

俺の隣に男。なんだっけ?健介ってやつ?

向かい側に桃花。斜め向かいが亜子。

窓側の俺は窓の前に頬杖をついて外を眺める振りをして、桃花の寝顔を見てた。

「あ、着いた!行くよ!」

亜子は荷物を持って歩き出した。健介も。おい、こいつはおいてけぼりかよ。

起こすとわりいかな。

俺は桃香を背中に背負って電車を降りた。

なんかすんげえいい匂いするんだけど。

「起こすの悪いと思って背負ってきた」

「お、どうも!」

つうか、桃花軽すぎ。痩せすぎだろ。駅を出てバスで、人気のない綺麗な海に出た。

バスを降りて、宿に向かう。

宿に入ると亜子が話し出した。

「よっ春樹!」

「おう。券は?」

「はい!」

そう言って券を差し出す。

「うちの宿はひと部屋に二人だからね」

「おっけー!」