桃花side*
「桃花~!おっきろ~!10時だぞ~!水着買いに行くぞ~!」
そんな声とともに足元の違和感。亜子か。
ん?なんて言った?水着!?
「水着!?」
私は勢いよく起き上がった。
「お、桃花サン、旅行の水着に食いつきましたねえ」
「ふぇ?」
私は情けない声を出した。旅行・・・?旅行って何?
「あ、あたし旅行行く予定だったんだけどね、お父さんとお母さんが、カクカクシカジカで・・・」
「あっ、そうなんだ」
「んで、本当は明後日なんだけど、よく券見てみたら明日からなの!あははは!」
そう言ってケラケラ笑う亜子。水着かあ。痩せておけばよかった。(泣)
「はい!行くよ!」
「はーい」
私はそこそこお金の入った財布を持って着替えて、亜子と家を出た。
亜子と近くの街の服屋に行った。
中に入るとひんやりとした空気だった。んー、涼しい。
「桃花~!こっちー!」
亜子ってば早いんだから。私は亜子の方に駆け寄った。
「これいいんじゃない?」
「無理無理無理!」
私は全力否定した。
「なんでよ。桃花に似合うのに」
ムスっとした顔で亜子が言う。
だって亜子サン?これは、ビ・キ・二というやつですよ?私には死んでも着れない。
「あたしこれ~♪」
いつのまにか亜子が水着を手に取っていた。あ、亜子さん・・・。
亜子は水色と白のマリン柄のビキニだった。胸大きいもんね。
「私はこれでいいや」
私が手にとったのはお腹が露出されない服のような水着だった。
「だ~めっ!ちゃんと気合入れて!あんたはこれっ!強制」
すごく強制を強調して言ってきたけど・・・。これは・・・・。
純白のビキニ。だからビキニは・・・・。
それから試着して、結局それを購入。セール中だったから安かったな。ってそういう問題かよ。

