亜子side*
「そっか!あ、ちょっとまってて!」
桃花にそう言い、部屋を出た。
階段を駆け下りた。
「お母さん!」
「亜子、誰か来てるの?」
「うん。桃花来てる。家出したんだって」
「あら。桃花ちゃんが?何かあったのかしらね。それで泊まりに来てるの?」
「うん。いつまでなら泊めてあげられるかなって」
「そうね。明々後日からは旅行だから今日と、明日と明後日ね」
「わかった」
あたしは階段を上った。
ドアを開けると桃花が横たわっていた。
「桃花!?」
あたしはびっくりして桃花の顔を覗き込んだ。
スースーと寝息をたてて寝ていた。
「なぁんだ。びっくりしたじゃないの」
私は軽々とした桃花の体を抱えて、ベットへ運んだ。
それから桃花は起きなかった。明日の朝には起きるかな。あたしも寝よ。
「おやすみ」
そう言って目を閉じた。